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TOHOHO日記
大切なお店
2010.7.21
内容にもよりますが、取材にかかる時間は、だいたい、30分から1時間前後という場合が多いものです。お話をお聞きして、店内、外観、スタッフさん、お料理のお写真を撮らせていただいて…としていると、1時間はあっという間です。こんなにあれこれお聞きしてお時間を割いていただいても、実際の誌面での掲載スペースがほんの小さなものになってしまったら…、という不安も常にあり、できれば取材時間は短く簡潔に済ませたいというのは、いつも思うことではあります。

とはいえ、どんなに短時間であれ、相手の方が伝えたいと思ってくださっていることをきちんとお聞きし、読者の方に伝えられる形にできなければ本末転倒ですから、そこはやはり難しいところなのだと思います。

実は、私がライターの仕事を始めたころ、取材に行って4時間近く居座ってしまったことがあります。なんでそんなに時間がかかったのか、今思い出してもまったくわかりません。うかがった先は、すすきの駅のそば、ご夫婦で経営されている、ビルの2階にある小さなビストロ。その時の取材メモには「おうちに家庭菜園、ハーブ、自転車、多忙」「ご主人とマダム、新婚時代、こたつでみかん」「ただ正直に。一生懸命」とか、よくこれで原稿が書けたものだと思うような断片的な単語の殴り書きが10数ページに渡って続いています。

あんなに長い時間居座られたら、その後の仕込みやら開店準備やら何やら予定がすべて狂って、さぞ困られただろうなあと、帰り道、とても落ち込んだことを覚えています。

でも、その後、マダムから届いたのは「イシワタリさんが真剣に一生懸命取材している姿を見て、また、いろいろな質問に答えながら、自分たちの原点を思い出しました。今後について、迷いもあったのだけれど、もう一度原点に戻って頑張ってみようと、シェフと二人で話し合いました。ありがとうございました」と書かれたとても温かいメールでした。

申し訳なさと、ありがたさと…。

その後も折に触れ温かいお便りをいただき、子どもたちとお店におじゃましたときにもとても親切にしていただいたり、私にとって「大切な隠れ家」のようなお店になりました。

ですが、先週末、そのマダムから届いたのは「引退のお知らせ」のハガキでした。あのお二人らしい、温かさいっぱいの文面に、なんと言えばよいのか、言葉もないのですが…。

閉店まであと1ヶ月。それまでに一度はぜひ伺おうと思います。そして、一日も早くまた「心機一転、今度はここで頑張ります!」と新規開店の連絡が届きますように。



Bistrot poele(ビストロ ポワル)

札幌市中央区南4条西3丁目第2グリーンビル2階
電話番号:011・530・0311
営業時間:18:00〜23:00(できる限り予約を)
定休日:日曜、第1・3月曜、祝日
http://www.h5.dion.ne.jp/~sakai-t/

(ひろみ)
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富良野・美瑛道中膝栗毛
2010.7.13
HOでは、もうすっかりお馴染みの旅人になっている中野さん。
今回は「地元民になる旅」というテーマに沿って
富良野・美瑛の中でも、普通なら観光コースに入らないような
ディープな名所を回っていただきました。
誌面にはパッチワークの丘も、ラベンダー畑も出てきませんが
代わりに
地元の人の温かい笑顔や、こっそり教えてもらった隠れ名所が
わんさ(?)と掲載された
まさしく「もう一つの富良野・美瑛」が楽しめるページです。

旅の中でももっとも地元民らしくなった瞬間(?)は
「地元の人だけが知っている、裏道」を通ったときではないかと私は思っています。
あの裏道を通ったときの様子を、誌面では「約20分程度で抜けた…」と
すんなり書いてありますが
実は、通り抜けるまでにはちょっとした冒険があったのです。

この裏道は、地元の方から
「抜け道として利用している、地元の人しか通らない道路がある」
というお話をうかがって今回の旅のコースになりました。
まず、入り口となったバス停。

ここは間違いありませんでした。
進んでいくと、ちょっと小高い丘の上、周りの景色がよく見晴らせる
とても気持ちのよい道に入ります。
そこから、ズンズン。
木々がうっそうと茂り、昼間なのにちょっと薄暗くなって来ました。
道幅は狭くなり、車体に植物の触れる音がばさばさと聞こえてきます。
私は不安になって地図を握りしめながら、思わず
「大丈夫…ですかね? ここ、本当に人が通るんですか?」
地元の方から直接この道について情報を聞いていたカメラマンも
「こっちで間違いないはず」
とは言いつつ、少し不安そうな声に聞こえます。
さらに進むと、道の先にフェンスが見えてきました。
扉のように開閉できるフェンスには大きく
『鹿ゲート注意! 開けたら閉めよう!』
と看板がかかっています。

「ダメですよ。ここは、普通通らないですって。間違えたんですよ」
臆病な私はすぐに引き返すことを提案しました。
しかし、看板の文句は人が通行することを前提に書かれている
というカメラマンの主張も確かに正しい。
「とりあえず、行ってみましょうよ。ダメだったら引き返せばいいんだし」
という中野さんの一言で、私たちはフェンスを乗り越えたのでした。
(正確には通過する、ですが、気分としては「乗り越えた」という感じです)

さらに道は険しくなり「車が通れるけもの道」という様相を呈してきました。
お詫びの言葉を連呼する私に
中野さんは「なんか、こういう冒険みたいなの、僕すごく好きなんですよ」
とやさしくおっしゃってくださいました。
だけど、こんなにうっそうとした森の中だったら、鹿だけじゃなく熊だって出るかも…
私の頭の中では妄想が、どんどんと膨らんでいきます。

しばらくすると、道の先にまたフェンスが。
「ここで鹿ゾーンは終わったってことですかね」
フェンスを抜けて少し進むと、今度は畑につきあたりました。
「人は…通るみたいですね」
「明らかに、誰かが管理している畑ですよね」
森に挟まれるようにある狭い土地には、整然と麦が植えられていて
確かに人の来た形跡はあります。
けれど、近くに人影は見当たらず
私はなんだか、キツネに騙されているんじゃないか、という気分に陥ってきました。
「そういえば、子どものころ『日本むかし話』でこんな景色見たことある!
キツネに騙されたと知らずに道を進めた人たちは、どこへたどり着いたんだっけ…?」

「大丈夫なんですか?」を連呼する私の怖がりが
カメラマンにも伝播したのか、結局元来た「鹿ゲート」を引き返して大きな道へ戻り、
もう一つの「裏道の入り口」から裏道を通ることにしました。
(←こちらの方が比較的わかりやすいのですが、
教えてくださった地元の方はあまり使わないらしい)
最終的にはこちらも険しい砂利道だったわけですが、
中野さんは誌面のように、裏道の景色を楽しんでくれ

「HOの取材って、こういうところが楽しいですよね」
と喜々として取材に応じてくださいました。

中野さんが大らかないい人でよかった!
と思った反面、それって褒め言葉かどうか微妙だよなぁ…
と一抹の不安も覚えた私でした。
これに懲りず、またHOで旅をしてくださいね。
中野さん!

私が選ぶ今回のベストショット!
中野さん絵になる!!

(みさと)
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緊急告知!!
2010.6.28
「もうひとつの富良野・美瑛」が25日に発売されましたが
みなさん、もうご覧になっていただけましたか?
観光名所として全国にその名をとどろかせているエリアですが
有名なところばかりじゃない、ステキな名所がいろいろです。
ラベンダーや「北の国から」にさほど強い興味がない方でも
きっと「富良野と美瑛に行ってみようかな」と思える特集になっていると思います。

さて、今回特集の巻頭10ページで
「地元民の旅」に出掛けてくださったのは
HBCラジオで人気のトム(中野智樹)さんです。
19号(ジンギスカン号)で焼尻、24号(漁村号)で寿都・島牧
そして今回の美瑛・富良野。
HOでもすっかりお馴染みの旅人となりました。
毎回遠方までの(ハードスケジュールな)旅を爽やかな笑顔で
こなしてくれる、我らがスーパーヒーローです。

そんな中野さんのご協力で、
今回のHOのサイン本即売会を
リーブルなにわさんで開催する運びとなりました!

日時:6月30日(水) 18:00〜
場所:なにわ書房 リーブルなにわ(札幌市中央区南1条西4丁目)


当日は中野さんがいらっしゃって、
HOをお買い上げいただいた方に、その場でサインをしてくれます。

さらに、スペシャルプレゼントも付いているかも…?
先着30名様となっておりますので、時間に合わせて
会場にいらっしゃることをお勧めします。
本当に緊急の告知になってしまい申し訳ありませんが、
みなさんのご来場をお待ちしております。          

(みさと)
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手のひらの記憶
2010.6.22
あっという間に6月も下旬に突入しました。
HO次号の発売日ももうまもなくです。

今回も、取材を通し何人もの素晴らしい人に出会い
たくさんの心に残るお話を聞かせていただけましたが
その中でも強く印象に残っているのが、南富良野の山奥で、
木のおもちゃ作りをしている岡田亘さんという方でした。

岡田さんのおもちゃは、丸くて愛らしいフォルムが
特徴で、なめらかで手触りがすばらしい。
手にした時には、「心地よい」という言葉が
一番しっくりくるような、そんなおもちゃです。


岡田さんは、自分は「手の記憶」「五感の記憶」ということを
とても大切に考えているんですよ、と言い、
「持ったときの感覚を、いつまでも手が覚えているような、
おもちゃを作りたい。将来、大人になって
このおもちゃのことを忘れても、
帰省時か何かに、ふとこのおもちゃを手にしたときに
『ああ、自分はこの感覚を知っている』と思い出して
もらえるような、そんな、体に記憶が刻まれるような
おもちゃを作っていきたいんです」と話してくれました。

手の記憶。耳に残る記憶。目の奥に焼き付けられた記憶。
どれもとてもよくわかる感覚のように思います。



岡田さんのおっしゃりたかったこととは
少々ずれているとは思いますが、
この話を聞きながら、高校時代に友人がノートに
書き留めてくれたある詩を思い出していました。

それは安浪雄嗣さんという人の詩で、
詩集はだいぶ前にすでに品切重版未定となっています。

安浪さんの詩もそうですが、
数多くの素晴らしい作品が使い捨てのように市場から消え、
子どもたちに伝えることができない状態であるのは
とても残念なことです。

以前、書籍制作に携わっていたときには、
よく考えていたことではあったのですが、
雑誌という、基本的に増刷はなく売り切れればそれっきり、
という世界にいるうちに、いつしか当たり前のような感覚に
なってしまい、何年も深くは考えずにいたことでした。

貴重なことを思い出させていただいたと感謝しています。



手のひら (作・安浪雄嗣)

会っているあいだは
何も知らなかった
そばにいるのが
こんなに
こんなに大事な人だと

手のひらだけが知っていて
手のひらだけが
たしかに感じていた

別れの駅で握手するあいだ
ふれているのが
こんなに
こんなにやさしい
人の心だと


▲作りかけの岡田さんの作品です。6月25日発売のHOにくわしく、岡田さんのことやその作品が掲載されています。ぜひご覧になってみてください!

(ひろみ)
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HOの別冊が発行されます!
2010.6.8
あっという間に完売した
「あなたの知らない函館案内」(VOL.31 6月号[4月24日発行])
http://www.toho-ho.jp/backnumber/

この号がいつものHOよりもちょっと小さく、
持ち運びが便利なサイズになって7/15発行します。

内容を再録するだけではなく、新情報をプラスして函館の
魅力をご紹介します。

買いそびれた方、すでに持っている方も、
コンパクトサイズなので旅行のお供として、
ぜひご活用ください。

保存版「あなたの知らない 函館案内」
定価500円(税込)
B5変形/128ページ/オールカラー
全道書店、コンビニエンスストア、東北・関東エリア主要書店で
発売

(編集部)
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