HO31号の「匠の手仕事」でご紹介させていただいた ジュエリーアーティストの船木ゆずかさんの 個展が開催されます。
『SPIRAL ―螺旋―』 船木ゆずか 作品展2010
期間:9月8日(水)〜9月19日(日) 10:00〜18:00 (最終日は〜16:00) 会場:GALLERY 創(そう) (札幌市中央区南9条西6丁目1-36 011-562-7762)
さてさて、 「匠の手仕事」の取材は、普段は目に出来ないような道具や 作品が出来ていく過程を目の当たりにできて面白いです。 もちろん、耳慣れない用語が出てきたり、 複雑な製作過程を短時間ではなかなか理解できないこともあって 「難しいな」と感じることも多々ありますが、 それでも、取材が終わるとなんだか一つ新しい世界を知ったような気になって (まあ、たいてい気のせいなのですが… 笑) テンションがあがります。
恥ずかしながら、船木さんを取材することになって、 初めてアートジュエリーという世界の存在をはじめて知った私。 その上、普段装飾品とはあまり縁がないということもあって(残念ながら)、 話題にちゃんとついていけるかどうか、一抹の不安を覚えながらも 一方では、一体どんな作業が見られるのか、どんなお話が聞けるのかと ワクワクしてアトリエを訪れました。
誌面でも書きましたが、船木さんの作品は植物の模って作るというのが 大きな特徴です。 その植物というのも、枯れてカッサカサになった花の額とか 種がはじけ飛んだ後の殻とか きらびやかなイメージのあるジュエリーとはかけ離れたものばかり。 ジュエリーとその元になった植物を見せてもらった私は、そのあまりの変身ぶりに 「ええ〜、これが、これになるんですか?」と 目の玉をひんむいて、声が裏返ってしまうほどでした。 私たちが普段愛でている花や葉は、型をとるには軟らかかったり厚さがなさ過ぎたり と、鋳金という手法には合わないこともあるそうですが、 それにしたって、この地味すぎるほど地味な植物の残骸(?失礼)が 一体どうやって作品になったのか…と思うと不思議ボルテージはマックスに。 「これは? こっちは? なんの植物ですか? どこで見つけたんですか?」 などと興味津々に、そして矢継ぎ早に質問する私に 船木さんは穏やかに、そして とても丁寧に答えてくれました。
「枯れた部分って図鑑を見てもほとんど載っていないんですよ。だから、 これ面白いなって思って作品にしてみても、 原型になった植物の名前がわからないことも多くって」と、船木さん。 そんな(一般的には注目されないような)目立たない植物の形を ジュエリーにしようと発想する船木さんの感性って、やっぱり普通の人とは違うなぁ 「芸術家」だなぁと深く思った取材になりました。
以来、道端で立ち枯れている花の残骸なんかを見ると 「こういう景色も船木さんの目を通したら、キラキラ輝いた宝みたいに見えるのかも」 と思い、色のない植物でさえもなんだか突然彩り豊かに見えたりするから不思議です。
船木さん曰く「デザイン画は書かずに、模ったパーツを“増殖”させて作る」作品は、 小さなパーツが一つ一つ今もゆっくり増殖し続けているような そんな力強い印象を受けるものばかりでした。 実際の作品を目にしたらそのエネルギーをしっかり感じる事ができると思います。 お時間のあるかたは、ぜひ個展へ足を運んでみてください。 「装飾品は特に興味ない…」とおっしゃる方も、きっと楽しめると思いますよ。
(みさと) |
会社には毎日たくさんの電話がかかってきます。 こっそり居留守を使いたくなるような電話も多々あるのですが(←たいていは自業自得)、心温まるお電話をいただくことも多く、そんな時には「この会社で仕事をしていてよかった」と改めて思います。
先日は、青森県の方からこんなお電話をいただきました。
「昨年北海道旅行をした時に、北海道大学のポプラ並木を訪ねた。その時の写真がとても印象深いものに撮れたので、ぜひ見てほしい」
そしてお送りいただいたのが、このメールとお写真です。
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こんばんは! 先日お電話いたしました、青森の齊藤といいます。 早速お言葉に甘えて写真をお送り致します。
私は青森で田舎ですが、北海道大学の敷地の大きさは、行ってみてわかりました。本当に広いんですね! 北海道の雄大さが、地元の方々のおおらかさが分かるような気がしました。
実は昨年、ポプラ並木を見学に行きました。並木の前にお知らせ版がありました。安全のため通路には入れないということでした。木が古くなり数本倒れて伐採されたとか・・・。
ポプラ並木も時間がたったのかと、時代を感じていたところに、はっきりわかりませんが、農学部の学生さんかと思われますが、青と赤の服を着て、リヤカーを引いて並木の中に入って行きました。あまりにも懐かしく何とも言えない風景に思わずシャッターを切りました。その1枚です。
家に帰ってから、大きく印刷し、部屋に飾っておいたところ、遊びに来る方も「こんな写真がよくとれたねー」と言って印刷していきます。
みんなが、昔の時代をおもっているのか…と感じました。レトロの感じが・・・。
今年の8月17日にも、東京から来た方が、ぜひほしいと言って印刷して持って行きました。
北海道の人はいつも見慣れているかもしれませんが、私は本当に懐かしく、見ていても飽きない1枚です。
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ポプラ並木がまるでタイムトンネルのような、懐かしくやわらかな色合いのこの写真。ゴロゴロと響く車輪の音や枝を揺らす風の音が聞こえてきそうで、いつまでも眺めていたくなるように感じます。
ところで、齊藤さんはこのメールと一緒に、青森県田舎舘(いなかだて)村の「田んぼアート」の写真も送ってくださいました。それがこれです。
今年の8月17日に見学なさったときに撮影されたものだそうです。
偶然なのですが、実は、現在発売中のHO「チャントヤサイタベテル?」P74でも、旭川の田んぼアートを紹介しているのですが、もうご覧いただけたでしょうか?
齊藤さんの写真と、この写真を何度も見比べて「この2つの違いは、歴史と伝統ある本州のアートと、型にはまらず若々しい北海道のアートとの違いなのかな?」と、とても興味深く感じました。
この夏はただならぬ暑さで、外で仕事をされる方の苦労は察するにあまりあります。しかももう9月の声を聞くと言うのに、この暑さはいっこうに収まりそうにありません。青森の畑も、旭川の畑も、今はどんな色を見せてくれているのでしょう。まもなく迎える実りの時期。農業に携わる皆さんのご苦労と思いが実る、豊かな季節となりますように。
青森の齊藤さん、ありがとうございました。
(ひろみ) |
みなさん、突然ですがいったいここはどこでしょう?
今回、私は取材でこの町を訪れ、この景色にがっしりと心をつかまれてしまいました。 田園風景にぽつんと建つ建物。 札幌にいるとなかなか見られない風景ですよね。 でも北海道にはこんな素敵な風景がたくさんあります。 こんな景色、空気感に触れた瞬間がもっとも「北海道大好き」と思える時です。
そんな空気の中に溶け込むように建つこのお店では、この素敵な空間を外部から来た私たちにもおしみなく提供してくれるのです!
ここに住む方たちは、きっと自分たちがとても気持ちよく、素敵な時間を過ごしていることもわかっていらっしゃるのだろうなと思います。じゃないと人に紹介したりできませんものね。
そして今度は、またちょっと違う溶け込み方で、この町に住む方にお会いしました。
こんな怪しい看板が建つこの広場で、その人はこの謎の物体に情熱を注いでいます!
“謎の物体”なんて言ってしまいましたが、これには日本の農業の将来がかかっているかもしれません!ここの社長さんはおもしろおかしく、そしてどこまでが本当でどこからが嘘なのかわからない口調で私たちに語ってくれました。私もいまだに何が嘘で何が本当だったのかわかりません(笑)
でもきっと熱い男には間違いない! 話好きで、やたら気前がいい!(スキンシップも多いようですが…笑) 少し怪しい香りもしますが、この人が何をするのか見ていたい、ちょっと参加してみたくなる、そんな気持ちになってしまいます。
とにかく今回訪れたこの場所、いい人すぎて大丈夫?というくらい素敵な人々が住んでいます。そしてみなさんに共通するのは「この地が好き」ということ。 それがひしひしと伝わってくるし、私もここが大好きになりました。
さあみなさん、ここがどこだか気になるでしょう! 次回のHOでたっぷりとお届けできるので、ぜひぜひお手にとって見てくださいね! そしてできればぜひ実際に訪れてみてください! こんな素敵な景色に出会えるに違いありません。
8月25日発売のHO 10月号をお楽しみに!!
(まなみ) |
突然ですが、みなさんナイフってうまく使えますか? 私もちゃんと考えてみたことなんてなかったのですが、 そういやりんごの皮むきくらいが限界ではないか… と残念な結論が待っていました。
特にお子さんには私のような大人にはなってほしくない! そこで、夏休みにぴったりのイベントを紹介します。
道民のみなさんなら一度は聞いたことがあるであろう、 エフエム・ノースウェーブさん。 わたしたちHO編集部も、とてもお世話になっているのですが、 そんなノースウェーブさんタイアップの下、 ビクトリノックスのスイスアーミーナイフを使った 親子ワークショップが開かれます。
刃物類を使うことが少なくなっている現代の子供たちに向けて、 「楽しく安全に、刃物類に対する正しい知識と使用方法を学んでほしい」という思いから、 サッポロファクトリー主催のイベント 「SAPPORO FACTORY OUTDOOR WEEK ”More Fes!More Camp!” 」の特別企画として開催。
当日はNPO法人北海道ボランティア協会のスタッフを講師に迎え、 刃物の使い方はもちろん、プログラム後半ではナイフ使用の実践として、ペットボトルを用いたコマ「ボトル・トップ」の制作に取り組みます。 完成したコマは親子チーム対抗戦で勝負! 優勝した親子には素敵なプレゼントも待っているそうです! どんなものがもらえるのでしょう〜 景品があるとより一層力が入りますよね!(笑)
また、フェスティバル会期中には音楽ライブイベント「VICTORINOX presents More Music Live in OUTDOOR WEEK」や、トークショー「VICTORINOX presents OUTDOOR Enjoy Talk」なども開催! 音楽ライブにコマ対決! 大人も子供もアツイ夏の一日を過ごせそうですね!!
夏真っ盛り! 北海道の短い夏を思いっきり楽しむためにも、 まずはこのイベントへ!!
「君だけの『ボトル・トップ』を作ろう!」 日時:2010年8月7日、8日の2日間 時間:1日3回を予定 11:00~12:00/13:00~14:00/15:00~16:00 場所:サッポロファクトリーアトリウム ビクトリノックス展示ブース内 参加資格:小学生3年生以上の子供と保護者2人1組(※各回10組20名) 費用:無料 参加方法:エフエムノースウェーブ WEBサイトより先着で受付 公式HP http://825.fm/northwave/ 応募HP http://www.fmnorth.co.jp/EventM.asp?EID=1741
「VICTORINOX presents More Music Live in OUTDOOR WEEK」 日時:2010年8月7日(土)11:30~12:00/13:30~14:00/15:30~16:00 8日(日)13:30~14:00/15:30~16:00 会場:サッポロファクトリーアトリウム MC:7日ノースウェーブDJ潮音、8日ノースウェーブDJ笠原寿仁 ゲスト:松竹谷 清、キッコリーズ、ケンジャほか
「VICTORINOX presents OUTDOOR Enjoy Talk」 日時:2010年8月7日(土)、8日(日) 時間:14:20~14:50 会場:サッポロファクトリーアトリウム ゲスト:「北海道キャンピングガイド2010」編集室スタッフ
(まなみ) |
「もう一つの富良野・美瑛」で紹介した ナブの家(P98-99)は、 鳥がたくさんやって来る森の中のカフェです。
店名は、店主の山口さんが大好きな小説の主人公から付けられました。 それは、リチャード・フォードというイギリスの作家が書いた 『銀の森の少年』という物語。 銀の森でアナグマの夫妻に育てられた少年・ナブが、 森の仲間たちと暮らす中で、たくましく育っていくという ファンタジー小説です。 (ちょっと『ジャングルブック』みたいな感じでしょうか?) カフェを取り囲んでいる森を、山口さんはこっそり「銀の森」と呼んでいるらしいです。 店の裏手は清々しい森になっています。小さなツリーハウスがあったり、ブランコがあったり、カフェで一服した後、森の中でぼんやりできる贅沢なお店です
さて、このカフェには真っ白でかわいい「サム」という犬がいます。
実はサムも店名の由来になった小説に出てくる登場人(?)物の名前。 主人公のナブと仲の良い、しっかりもので勇敢な犬です。 「ストーリーの中では、すごく頼りがいのある犬なんだけどね、 うちのサムは全然違うんだよね〜」 と笑う山口さん。
サムは、元気がよくてはつらつとしているけれど お客さんを威嚇しないし、 決して店の中に入って来ることもない。 山口さんの言うことには、きちんと応えるお利口さん。 と私には見えたのですが、 実は、お父さん(山口裕さん)がいなくなると、 突如シューーンとして、この賢い雰囲気が影をひそめてしまうらしいのです。 この写真を見たとき、私の好きな歌の ♪愛されることを知らない、まっすぐな犬になりたい という歌詞が私の頭にポンと浮かんできました。サムの目がホントにまっすぐ
妻の洋子さんいわく 「お父さんが仕事で家を空けるときは、ちゃんと言い聞かせておかないと寂しすぎて食欲はなくなるし、ひどいときは歩けなくなったりするんですよ」
取材が始まり、山口さんに話を聞くために サムはしばらくの間、放っておかれることになりました。 すると、山口さんの見えるところをウロウロ。 じぃっと物欲しそうな目で取材の様子を見つめています。 その気配を察して、山口さんがサムのそばへ寄っていくと 落ち着きなくぴょんぴょんととびはね、 ちぎれんばかりにしっぽをふって、山口さんの膝の上へ乗ろうとします。 その喜びようと言ったら 想い焦がれた恋人にやっと再会できたかのよう (とは、言い過ぎか…)。 さらには、腕や顔をぺろぺろなめて、いかに山口さんが好きか をアピールするサム。 外での取材中はほぼこんな具合。山口さんに夢中で私やカメラマンは全く無視です(笑)
二人(?)のラブラブっぷりを横目で見ながら 「私がいたってダメなのよねぇ、サムは。お父さんじゃないと」 と洋子さんはちょっと寂しそうです。
ほんの1時間ほど放っておかれただけで こんななのだから、数日家を空けたら歩けなくなるっていうのも まんざら大袈裟ではないのかも…。 結局、サムが寂しがるので取材の半分は 店の外で行われることになり その間、私は二人の仲良しぶりを見せつけられたのでした。 もちろん山口さんもサムが大好き。相思相愛の二人なのです
しかし、激しい愛だなぁ。 一度はそんなふうに誰かに想われてみたいもんですよね(笑)。 ナブの家はサムがいるだけじゃなく、気持ちをリラックスさせてくれる リンデンティーや、パンがサクサクのホットサンドが楽しめる、とってもすてきなカフェです。近くを通ってみれば 「気になる」理由もわかるはず。ぜひ足を運んでみてください。 おススメです!
(みさと)
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