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TOHOHO日記
秘湯取材も命がけ?
2007.11.30
「然別峡のかんの温泉に行くんなら、近くのオソウシ温泉の写真も撮ってきてください」。コンビニで弁当を買ってきて、みたいな気軽な依頼に深く考えもせずに了解したカメラマンの吉田君。
おかげで、こちらはずいぶんと肝を冷やしました。

オソウシ温泉は、新得町の市街を抜けてから東大雪湖の方に向かう道路を右に折れ、原始林を切り開いた狭い砂利道を20kmも走る。なにせ出せるスピードはせいぜい時速30km。

いつシカが飛び出すか、クマが出てくるか?

そんな思いに駆られながら突き進むと、山あいに忽然と現れるのが鹿乃湯荘なのです。ひっそりとという言葉がこれほど似合う宿はありません。実に鄙び感たっぷりの温泉なのです。

玄関前に車を止めると、早速ネコのニケちゃんがお出迎えしてくれました。
秘湯にふさわしく、露天風呂の横でコンクリート管からドボドボと源泉があふれています。休憩室の薪ストーブに手をかざしながらしばし宿のご夫婦と談笑。なんでも、大病をした奥さんがこの温泉で湯治をしたことがきっかけで、ついには夫婦で経営するはめになったのだそうな。

「がんを宣告された人が何人もここで湯治して治っているのよ」と奥さん。

自分の病気も温泉でなおした人だけに、言うことに説得力があるのです。

車のボンネットで暖まるネコのニケちゃん。温泉があるんだから、車より足湯でしょ

来る途中にあった、かんの温泉の小さな道路標識が気になって聞いてみた。

「多分、明日ぐらいには通行止めになると思うが、今日は大丈夫でしょう。この道を行った方が、20キロぐらい近道だよ」とご主人。
「本当に大丈夫ですか?」
「ああ、昔の人はかんの温泉とうちを行ったり来たりしたもんさ」

オソウシ温泉の経営者夫婦。薪ストーブの風情が癒されます

牧場犬のモモちゃんはグーッと伸び。だって、犬なのに猫背になったら格好悪いもんね

地元の人が言うんだから間違いない。
最初のうちこそ

「いやあ、こんな道路久しぶりだなあ、絶好のオフロードだね」

などと面白がっていたが、次第に足がこわばり、手に汗がにじんでくる。

標高が徐々に高くなるに連れ、道幅が狭くなり雪もちらついてきた。しかも砂利道なのにガードレールもない。助手席から窓の下をのぞいて思わず体が突っ張りました。
だって、思いっきり崖なんだもの。

「おい、吉田君、ゆっくり行け!滑ったら終わりだぞ」。

「温泉で、ごろん」の取材に来て、「谷底に、ごろん」ではしゃれにならない。
どうせ落ちるのなら、せめて若い女の子と手をつなぎながら落ちたいじゃない。

もちろん携帯電話は通じない。こんな車も通らないようなところでパンクでもしたらお手上げ、と思っていたら、目の前に車。時速20kmぐらいののろのろ運転で何か怪しい。すれ違うと目付きの鋭い男が4人、窮屈そうに乗っているではありませんか。

「温泉の帰りかと思ったけど、違うな。あの雰囲気は。こんな山の中で何かの取引かもな?」
「銃口が見えましたよ」と吉田君。

「シカ打ちだ。ハンターだよ」
「生きているシカを打つなんてで無理だよな。かわいそうで」

と話しながら走っていると、二股にさしかかてしまいました。

「どっちだ?ここで間違ったら、集合時間に間に合わない」。

道路脇に掲げられた地図らしき看板を見てみたが、さっぱり分からない。

「外をウロウロしていたら、シカと間違って打たれるんじゃないか」
「それはないでしょう」
「だって、近ごろのハンターの中にはウマとシカを間違えて打つやつだっているじゃないか」

笹藪を歩いていたハンターが間違って打たれたという新聞記事を見たことがある。昔、標茶に行った時に流れ弾が車を貫通したという話も聞いたこともあるな。

「あ、先ほどのハンターの車だ!吉田君、どっちか聞いて見ろ」

思い過ごしでした。ハンターのおじさんたちは、とても親切で人柄の良さそうな人たちなのでした。

ようやく山道を抜け舗装道路に出た時は、雪が積もっていました。
かんの温泉の旧館前には野生のシカが1頭ウロウロ、さすが秘境です。このシカ君(オスかメスか分かりませんが)のおかげで、特集「源泉マニア御一行様」の扉が鄙び感たっぷりの写真となったのです。

野生のシカの登場に、一同は大喜び。シカ君はもちろん、シカトです

座談会中、宿から出たシカ肉の旨かったこと。これには一同感激しました。だって、分厚くスライスした肩ロースには脂身がほどよく付いていて、口に入れるとバランスよくとろけるんだもの。しかも、シカの鳴き声を聞きながら、いただく極上の生肉。

「シカ肉って、こんなに旨かったの?」
全員でお代わりを注文しました。

「社長、いやあ、最高ですね」
「いいでしょ、本当のシカ肉の味はこうなんですよ。」
菅野社長は満面の笑みで説明してくれました。

「解凍にかなり時間がかかるけど、いいんですか?」
「待ちます、待ちます!」
だが、2時間近くの待ちに、しびれを切らして誰かがつぶやいた。

「解凍に時間がかかるんなら、さっきのシカでも……」

外をのぞくと、シカ君は、どこともなく姿を消しておりました。

(お)

かんの温泉のシカ肉。入り口で撮影したシカとは関係ありません

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まぼろしの表紙
2007.11.30
ようこそ、HOオフィシャルホームページのTOHOHO日記へ。

これから、取材や編集の裏話など徒然なるままに書き記していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、みなさん今回の号は手に取っていただけましたでしょうか?
表紙の黄色いケロリンの桶が「かわいい!」と思った人も多かったはず。
(内外薬品さん、ご協力ありがとうございました)
個人的には、この表紙 かなり気に入っています。

実は表紙の決定には結構、紆余曲折があるのです。
いろいろな写真やイラスト、字の色もいろいろ変えたバージョンをいくつも作って、その中から「これぞ!」と思う表紙を決定するのですが…実は今回の表紙候補に、私のセクスィーショットが!

デザイナーさんも全く私だと気付かなかったらしく、「あ!これ、私です~」と告白したら、かなり驚いていました。それくらい(?)、セクスィーだったんですよ。

撮影場所はニセコアンヌプリの湯心亭。巻頭ページ(p22~25)ごろんの取材でした。

1日目の撮影をすべて終了、明日の打ち合わせなど諸々も終わってカメラマンさん(女性)と入浴。「明日のお風呂の撮影はどんな風にとりますかねぇ」などと相談しながら、二人素っ裸で浴槽をざばざばと歩き回り、こっちがいい、あっちからがいいなど考えていたときのことです。

カメラマン(以下カ):「夜の露天風呂、ライトアップがかなり雰囲気いいですねぇ」
:「上がったら、人が入ってない露天風呂もおさえておいてください」

:「いや、人が入ってた方がいいですよ。イメージっぽく使えるように撮りましょう。今 カメラ持ってきますから、入ってて。あ、バスタオルとか巻きます?」
:「だいじょぶ、だいじょぶ、面倒だし。うまく撮ってください」

というわけで、さっそく撮影開始。クールでビューティーな感じに撮れていますが、露天風呂とあってお湯の温度は結構高め、深夜の撮影で外気が冷たく湯気はもうもう。撮影には時間がかかり、撮影最中に私はのぼせそうになったくらいでした。でも苦労の甲斐あって、どれもかなりいい雰囲気に撮れました。表紙候補の一枚はとくにいい感じ。

「すごい美人みたい!」と自慢して回っていたら「“すごい”とは大きくでたな」と厳しいツッコミ入れられましたが…。でも、本当にかなりいい感じだったんですよ。表紙としてみなさんにお届けできなかったのが残念で……。ちなみに、今回の号をお持ちの方は目次の中にある一番下の写真が、今回の表紙候補のショットに近いものです。なんかいい感じですよね?

これからもどんどん、ばりばり露出していこうと思っていますので、みなさん乞うご期待!(笑)
あ!ちなみに、前号(14号)でも私の入浴シーンが誌面を飾っていますので、気になる方はぜひ財界さっぽろまでご注文下さい!それもかなりいけてます(笑)

(みさと)
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浴衣コレクションの話
2007.11.30
手前味噌ですが、ちょっとお気に入りのページ。
それが「浴衣コレクション」です。
「この浴衣は●●温泉に行った時の写真だ」とすぐに思い出せるような浴衣が集まりました。

さまざまな情報が溢れている昨今ですが、温泉旅館の浴衣情報はほとんど出てきません。
3人で地道に電話をかけること数十軒。

「宿泊した際に着る浴衣のデザインを教えて欲しいのですが」
「え、浴衣……ですか?」

と、困惑する声を聞いては、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

そして毎回言われる「うちは普通の浴衣ですよ」の一言。
でも、詳しく聞くと、おしゃれだったりするんですよ!
色が新鮮だったり、ちょっとしたデザインが旅館らしかったり、その土地ならではだったり。
帯の色が個性的なところもありました。

「浴衣をお借りして、同じ形で撮影する」という企画だったため、ステキな浴衣でも「貸すのはちょっと……」と断られてしまった宿もあります。
道内すべての宿に問い合わせられたわけではないので、まだまだステキなデザインの浴衣のところもあるでしょう。
大変でしたが、それ以上に楽しかったので、またやりたい企画の一つです。

(しずか)
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水戸黄門科ないですか?
2007.11.30
 自分がこちらでお世話になる前のHOのバックナンバーを見ていたら、こんな記事を発見しました。

「生協の白石さん」が、その癒しの力で大ベストセラーになったので、ならば「白石にある生協さん」の店長にも癒しの力があふれているに違いない、インタビューしてみよう、してみました、というような…。(HO Vol.7 2006年6月発行)

 これを書いたのは、普段、泣く子も黙るオニ・ジョーシのようです。しかしまあ、思いつくことはあっても、まさか本当に取材実行するとは…。取材依頼を受けた生協さんの本部でもさぞ面食らわれたことでしょう。

 この記事を読んでいて思い出したのが、先日立ち読みした浅田次郎氏の随筆集「つばさよつばさ」(小学館)の中の1篇。それは「新聞広告で東京都多摩市に『たま肛門科』なる医院を発見したので、それならば、水戸市にはきっと『水戸肛門科』があるに違いないと確信し、104で聞いてみた。すると、案内嬢はまったく動ぜずにきちんと調べてくれ、『残念ながら水戸市内にはそのような医院名での届け出はありません。肛門科をお探しでしたら総合病院にございますので、そちらの番号をご案内しますか』と言われた。結構ですと断って電話を切ったがなんとも残念だ」というような内容でありました。

 うん、やはり似ています、この2人。思いつきを思いつきで終わらせてはいけない。やはり大切なのは何か行動に移すこと。そして、やってみてダメならばそこに執着せずにさっさと次に進むことなのですよね?こんなジョーシの下で、居場所を与えていただいている自分は本当に幸せだなあと改めて思わせてくれたHOの1ページなのでした。

(ひろみ)
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HO [ほ] オフィシャルサイト、いよいよオープンです。
2007.11.24
みなさまのおかげで販売エリアもますます拡大し、順調に読者数も伸びております「HO」ですが、いよいよオフィシャルサイトがオープンです!!

最新号の特集内容や、ちょっとだけ内容をご覧いただける「WEB立ち読み」などをご用意!
さらに本誌には掲載できなかった情報やちょっとした裏話などは「TOHOHO日記」として更新していきます。

みなさまからのご意見をお送りいただけるメールフォームもご用意しておりますので、本誌のこと、オフィシャルサイトのこと、ご意見をお気軽にお寄せください。

それでは今後とも HO [ほ] をよろしくお願いいたします。
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