HO19号(7月25日発売予定)の「焼尻島に幻のサフォークを食べに行く」という企画で、先日、HBCラジオパーソナリティーの中野智樹さんと焼尻島にご一緒させていただきました。お会いした瞬間に「あ、仮面ライダーのお兄さん☆」と、思わずドキっとしてしまったようなイケメンさんで、にも関わらず、非常に丁寧で腰が低く、行き届いた気配りをなさる方でした。若い頃(今もまだ十分お若いですが)には、昼間某遊園地のヒーローショーでウルトラマンダイナ役のアルバイトをしながら、夜はDJをなさっていたなど、いろいろなお話を聞かせていただき、ワクワク&ドキドキのハッピーな一日となりました。
「幻」と称される焼尻島のサフォーク。船着場前「島っ子食堂」で食べることができます。1人前3000円。これで3人前、9000円也!
島っ子食堂のおかみさんも本当に温かい方で、手持ちぶさたにフェリー待ちをしているお客さんに「どこの人?コーヒー飲んでく?」と声をかけてご馳走していました。私も料理代をお支払いするときに「あらあ、○○円になっちゃったよ、いいの?」と本当に申し訳なさそうな顔をされ、「会社から出ますし、ご心配なさらないでください」とお答えしたにもかかわらず、「これで帰り3人でどこかでお茶飲んで行きなさい。ね、いいから」と1000円を戻していただき、もう涙がこみあげそうなくらい心が温まる思いでした。
黒い顔が愛らしいサフォーク種の羊。社長さんのトラックを見かけたり「来ーい、来ーい」と声をかけると集まってきます。こんな顔で見つめられると、うーん…。ごめんね。島では現在約400頭が飼育されているそうです。
中野さんは大口開けて羊を食べても、おどけていても、ただ立っていてもすべてが絵になる感じ^^
左は羊を飼育している萌州ファームの取締役場長、大井さん。レンタサイクルを利用し滞在4時間で島内強行取材とあって、大汗かきながら早口でまくしたる私に、「落ち着け、まず落ち着け」と大笑い。トラックを出して島内を案内してくれました。サフォークの羊についても「おいしい肉だよ。それに、島に牧場があるってこと自体珍しいし、ここの景色がきれいだってこともあって、マスコミの方が取り上げてくれておかげさまで今は人気をいただいているけれど、これがいつまでも続くという保証はない。この4月に町から経営を引き継いで、自分はここをなくすわけにいかないから毎日必死だ」というようなお話を聞かせていただき、私も考えさせられることが多くありました。
お会いした人すべてが親切で穏やかで、この日は本当に素晴らしい一日でした。最後に寄った船着場前のお土産屋さんのおばあちゃんに「また来ますね」と言ったら、「そう、いつ来る?待ってるよ」と言ってくれました。次はいつになるでしょう。早くまた行こうと思います。
(ひろみ)
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HO19号にて P146「ホテルヒルズ レ・コードの湯」の料理写真及び P156「十勝川温泉 観月苑」露天風呂の正しい写真はこちらです。
「ホテルヒルズ レ・コードの湯」料理
「十勝川温泉 観月苑」露天風呂
訂正してお詫び申し上げます。 |
禁煙ブーム、というか分煙ブームというか、いまやどこに行っても喫煙スペースがしっかり隔離されてています。ガラス張りの喫煙ルームで、すし詰めになりながら煙に巻かれて静かにタバコを吸っている人たちを見ると、その根性に……というか、タバコを愛する気持ちには、ただただ尊敬の眼差しを投げかけてしまいます。
喫煙者にもいろいろいて「タバコであればいい」っていうタバコ(一般)愛好者と、「この銘柄じゃなきゃ」という銘柄愛好者がいるのではないでしょうか。私はタバコのおいしさを理解するDNAが欠落しているみたいで、どうも味とか奥深さとかよくわからず「いろいろな銘柄があるけど、どうやって“どれをすうか”を決めてるんだろう」と、タバコの自販機を見るたびに不思議でなりません。
私の祖父は、禁煙をはじめて20年近く、いまや嫌煙家にさえなってしまっている人ですが、その昔は「パーラメント」しか吸わない、かなりの銘柄愛好者でした。 幼いころ「なんでこのタバコなの?」と素朴な疑問を祖父に投げかけると 「自販機で売ってないから」 という答えが返ってきました。
今はどうかわかりませんが、祖父がタバコを吸っていたころ、パーラメントはほとんど自販機で取り扱われていなかったそうです。あんまりメジャーじゃない銘柄だったのか、理由はわからないけど、とにかくなくなったらタバコ屋さんまで買いに出かけないといけません。つまらないことかもしれないけど、“タバコを買いに(わざわざ)行く”という状況が、タバコやパーラメントという銘柄への愛をより深めたのかも。 「手間のかかる子ほど、かわいい」というか、「手間のかかる子だから、かわいい」というか。
おじいちゃん子なせいもあって、うっかりすると 「タバコをのむ」と言ってしまい、周囲にバカにされます
手軽に手に入らない、ということもあってか、パーラメントを吸う人と会うことは滅多になかったそうですが、そのかわり、見ず知らずの人でもこの銘柄を吸っていると妙な親近感がわいて、思わずお互い目礼してしまうこともあったそうです。
確かに、自分が好きで欲しくて、わざわざ買いに行ったものなんかを持っている人がいると、「きっとこの人とは友達になれる!」という妙な確信が芽生え、知らない人なのに駆け寄って握手したくなったりしますよね?(私だけ?)それがマイナーなものならなおさら。 「これの良さを理解している、数少ない人に会えた!」みたいな、ね。
がんがん売れてメジャーになるのも悪くないけど、「知る人ぞ知る」とか「私だけが知っている!」というものに憧れる私は、HOが読者にとって、「祖父にとってのパーラメント」みたいな存在だったらいいなぁと、こっそり思っているのです。
私たち編集部にとっても、HOは「手のかかるかわいい子」です。たぶん……
そんな「知る人ぞ知る?!」HOの最新号は書店・コンビニで絶賛発売中です! どうぞ よろしく。
(みさと) |
年々物忘れをするようになり、何かを取りに台所に行ったのに、いざ台所に立つと「あれ?何を取りに来たんだっけ???」ということがよくあります。
仕事でそういうことがあってはならないと、気をつけるようにはしていますが、ここだけの話、実は私、1度だけ「取材のためにお店に行ったのに、取材をし忘れた」ことがあります。(この会社でのことではありませんが…)
それは、ある洋服屋さんに行った時のことです。正直なところ、場所も悪く、お客さんの姿もあまり見かけないお店だったのですが、「こんにちは〜っ!」と勢いよく店に入るなり、中に立ち込めていたのは異様な臭いと煙でした。何事?!と焦って店内を見渡すと、カーペットの端が燃えていて、それを店員さんがタオルでおさえて必死で消そうとしています。「大丈夫ですか!すぐに消防車呼びますねっ!」と声をかけると、店員さんは「呼ばないでください、大丈夫です、絶対大丈夫ですから、ゆっくりお店の中を見ててください」と必死の形相で、とにかく消防車は呼ぶなと繰り返すばかり。逃げ出すわけにもいかず、ましてやゆっくりお店の中を見ているわけにもいかず、一緒になって消火活動を手伝い、どれくらい時間がたったのでしょう、ともかく火は消し止めることができました。
焦げたカーペットを見つめ、店員さんも私も虚脱状態。その時、私のアタマの中からは「仕事」の2文字はすっかり消えていたのでした。床に座り込んだまましばし呆然とした後に、やっと気を取り直して立ち上がり「では、失礼します」とアタマを下げると、店員さんも「ありがとうございました」と深々とアタマを下げてくれ、店を出ました。「取材忘れた!」と、はっと気づいたのは数分後、駅に着いてからのことでした。あわてて電話を入れると店員さんのほうも取材のことはすっかり忘れていて、「取材は改めて後日」ということになり、その日は帰ってきました。
ちなみに、先日、前を通ったら、店はなくなり英会話教室になっていました。思い出の店なのに。残念です。
(ひろみ) |
ひろみさんのブログを読んで、毎朝見かける一人の男の子を思い出しました。 初めて彼を見かけたのは、とあるコンビニの前。 紺色のスモックも黄色いバッグもピカピカで、いかにも「新幼稚園生」といった感じでした。 お母さんの手を握ったまま、しゃがみ込んで自分の靴をいじってます。 隣のお母さんはイライラした表情で、黄色い帽子を手になにか諭しています。
「あ、行きたくないんだ」
気づくと同時に、胸がキュン。 遠い昔の自分とオーバーラップ。 私も幼稚園や学校に行きたがらない、困ったちゃんでした。 当時は幼稚園バスなんてそんなになかったので、毎日家から幼稚園まで戦いです。 だいたい同じ所でしゃがみ込むので、当時住んでいたマンションの壁のオレンジやフェンスの緑は、いまでも鮮やかに覚えています。 小さい妹を抱きながら、ぐずる私を連れて歩くお母さんは、さぞ大変だったことでしょう。 ある日、玄関でぐずった私に「しずかが泣くならママも泣くから!」と宣言して号泣。 ビックリです。そりゃー泣きやみますよ。 あまりのショックに、「明日から泣かないで幼稚園に行く」という約束にうなずき、ちゃんと渋らずに通うようになりました。
今考えると、幼稚園に行きたくない理由は「ママと離れたくない」「妹と一緒にゴロゴロしていたい」みたいなものです。 幼稚園に行ってしまえば、友達と遊んだり、一人読書を楽しんだりと満喫してました。 彼もそうなのかな? そうだといいなぁ。 彼くらいの子どもがいてもおかしくない年齢になってしまった私は、お母さんの気持ちと彼の気持ちの間でなんだか複雑です。
先日、お母さんと手をつないで、うれしそうにぴょんぴょん跳びはねながらバスを待つ彼を見かけました。 「あぁ、幼稚園行くの、楽しくなったんだ」 そう思ったのもつかの間。 次の日はまた手足をジタバタさせる彼と困り顔のお母さんの姿……。
「早く毎朝笑顔で通えるようになるといいね」 そう思いながら、毎朝彼に会えるのを楽しみにしている私です。
(しずか) |