あなたの街の三丁目+'64 北海道版レポート
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寂れた通りに明かりを灯す 道産粉100%のそばと酒

小樽・蕎麦や 荒又

住所
小樽市稲穂3丁目4-12
電話
0134・27・8288
営業時間
11:30〜15:30、17:30〜20:30
定休日
水曜(1月は夜の部も営業・ほかの月は要問い合わせ)
ゆったりとテーブルが配置された店内は木をふんだんに使った和風の造り。店内の一番奥には6人ほどが座れる小上がりがあり、落ち着ける
 
 
 
鴨肉の旨みがだしに溶け込んだ風味豊かなつゆで味わう鴨せいろ1100円。そばはシャキッとコシのある更科系だ
小樽中央市場の向かいにあり、風情ある店先から店内へと続くアプローチに、うまいそばへの期待が高まる

 JR小樽駅に近い小樽中央市場の脇に、品のいい店構えのそば屋が、ひっそりとたたずむ。店内はうなぎの寝床のように奥行きがあり、最奥部に小上がりが一つ。小樽の名店「籔半」で13年修業し、8年前に独立した荒又貴徳さんがそばを打ち、妻の恵子さんが接客を担当する。
  そばは、白く細く仕上げた更科系の二八そば。「よりよいそばを」と研究を重ね、この7月からはそば粉をはじめ、そばのつなぎやうどん用の小麦粉もすべて北海道産に切り替わった。コシがあり、のど越しのいいそばを支えるつゆは程良い辛さのすっきりとした味わい。だしの風味を生かすため、かつお節はだしを取る前に自ら削っているという。
  夜はそばのメニューを定番に絞り、酒を楽しむための一品料理が加わる。板わさや天ぷらなどで地酒を味わい、上がりはもりやかけで、腹を満たす。酔い覚ましには、小樽の夜風が心地良く、ふらりと海まで歩きたくなる気分だ。

※HO 47号より抜粋