>>レポート・6
まるで十勝の晴天を思わせる、完成度の高い至上のラーメン
十勝平原堂
- 住所
- 深川市4条3丁目9
- 電話
- 0164・22・3755
- 営業時間
- 11:30〜20:00(L.O.)
- 定休日
- 日曜
- ややピリ辛の味噌スープに浮かぶ、揚げ春巻きの器。その中には、卵黄の西京味噌漬けと、ジャガイモと生クリームやバターを練り合わせたものが詰められ、食べ進めるうちに風味が次第に変化していく。和洋の技術が調和した彩・平原らぁ麺880円
- 店を切り盛りするのはおしどり夫婦の梶野秀春さんと真由美さん。温かみある接客も好評だ
- 石川から取り寄せたものを含め、4種類の醤油をブレンドした醤油だれ。開店以前から継ぎ足して使用する
初めて入った人は誰もが驚き、感動をあらわにするに違いない。深川にこんな店があったのか、と(深川の皆さん、ごめんなさい)。基本となるラーメンは醤油、味噌、汐、そして平原の4種類。どれも魚介と動物系を組み合わせたスープに、それぞれの味に合わせた麺を使用する。たれの凝りようだって半端ではない。例えば、醤油だれには全国から選びぬいた4種類の醤油にサケ節をブレンドし、開店以前から8年近く継ぎ足しながら使用するといった具合で、化学調味料を使わないのはもちろんのこと、どれも既製品の味など片鱗も残らないオリジナルの味となっている。さらに、色合いやスープの性質による冷めにくさまで考慮して器も違えているという。
さらに特筆すべきは日替わり。開店からこれまでに130種以上が登場しているが、時に蕎麦風味、時にパスタマシンで打ったイタリアン風味と、マスターの技と遊び心が日々器の中で全開している。
ここまでやってしまう店主・梶野秀春さんとはどんな人なのだろう? 元々は和食会席歴15年の職人で、神奈川の出身。いつか北海道に住みたいと、本州で腕を磨いてから移住してきたというツワモノだ。食通の常連客曰く、「喉の奥の痒いところに手が届くようなものを作ってくれる人」。一度食せばその言葉の意味はすぐに分かるだろう。
※HO 37号より抜粋