>>レポート・5
昭和の香りいっぱいのナポリタンは、B級メニューのNO.1?
純喫茶 声
- 住所
- 札幌市中央区南1条西9丁目10-1
- 電話
- 011・231・1329
- 営業時間
- 8:00〜17:30(土曜は10:00〜16:30)
- 定休日
- 日曜、祝日
- この懐かしさを求めて、遠くから訪れる人も少なくない。「ナポリ」はコーヒー付きで650円
- 使い込まれて、短くなった菜箸が、「声」の歴史を物語っている
「純喫茶声」がオープンした昭和39年当時、喫茶店の食事で一番人気だったのが、ナポリタンである。
アルデンテなんて誰も知らない時代の話だ。太麺で、それも限りなくやわらかかった。その麺にたっぷりと絡んだケチャップの甘い香りに多くの人がノスタルジーを感じるはず。当時はナポリタンといえば、最新の洋食であった。毎日食べることなどありえない、輝くご馳走だったのだ。
そんな昭和の味を、今でも作り続けている人がいる。「声」のママである猪狩和枝さんがその人。
麺は開店のころから使い続けている同じメーカーのもの。ハムに至っては、40年近く同じ業者に特注している。野菜だって、できる限り実家で採れたものを使うようにしている。なんとも想いの深いナポリタンなのだ。
今でもそのナポリタンにひかれて足繁く通う人々がいる。いつもの席に陣取って、「いつものヤツ」と注文する。「あら、いらっしゃい。寒かったでしょう」。こんなやり取りが続き、親子3代で通う人もいる。
人はなぜ、こんなにも、ナポリタンにひかれるのか。やはりB級メニューのナンバー1かも。
※HO 22号より抜粋