>>レポート・2
大正の風情をそのままに。あの餅つき機だからこその、懐かしい味
ツルヤ餅菓子舗
- 住所
- 小樽市花園3丁目16-3
- 電話
- 0134・22・2609
- 営業時間
- 8:30〜19:00(売り切れ次第閉店)
- 定休日
- 水曜
- 「餅のツルヤ」と名前が入った煙突が印象的。昔は石炭を使っていたため煙も多かったという
- 草餅と豆餅は1個126円。ヨモギは5月末〜6月中旬にかけて1年分を採って冷凍保存
ここは大正の終わりから続く老舗餅店だ。餅のツルヤの文字が書き込まれた煉瓦の煙突、風雪にさらされて味わい深い板張りの壁、低い引き戸と、大正の店構えをそのまま残している。店主の髙橋利雄さんは、先代の出羽酉松さんの時代からここで働き、50年ほど前にこの店を引き継いだ。早い日には夜中の2時頃から仕事を始めている。年季が入った餅つき機や石臼、のし板などは先代の頃から使っているものを今でも使用し、「これを扱えるのは主人だけ。大切に使っています」と、女将の多江子さんは話す。
できあがった順にショーケースに並べ、最後のおまんじゅうが出るのは昼過ぎ。濃い草色をした草餅のヨモギは、5月末から6月中旬にかけて1年分を自ら収穫し冷凍保存している。添加物を一切使わず日持ちはしないため、その日のうちに食べることを勧める。「ここのお餅がおいしいから」と、小樽に寄ると必ず訪れるという常連客も多い。昔ながらの伝統の味を今でも大切に引き継いでいる。
※HO 47号より抜粋