>>レポート・15
北海道ならではの食材を おでんでさらにおいしく
江戸前おでん 深谷
- 住所
- 札幌市中央区南5条西3丁目 第4グリーンビル1階
- 電話
- 011・531・7253
- 営業時間
- 17:00〜翌3:00
- 定休日
- 日曜(祝日の場合は翌日)
- 11月下旬〜2月いっぱいまでしか味わえないタラコとタチのおでん。開店から継ぎ足し続けているまろみのあるだしが素材の旨さに加わり、ほっぺたが落ちるおいしさに。タラコのなめらかな舌触りは、まさに絶品だ
- 暖簾を引き継いで約20年。先代の作り上げた味をしっかりと守る深谷さん。「お客さんに絶対旨いものを食べてもらうぞ、と毎日それしかないですよ」。そのまっすぐな心で素材を厳選し、丁寧にだしをとる
- 背の高いビルの間にたたずむ店舗。カウンターで鍋をのぞき込みながら注文するのも楽しいが、奥には小上がりもありゆったりとおでんの味を楽しむこともできる
真っ黒なだしの江戸前おでんで、ススキノに店を開いて30年。関東の濃口醤油をベースに時間と手間をかけて作るだしは、まろやかさのある深い旨みで、多くのファンを持っている。ダイコン、卵、ハンペンなどの定番ネタがおいしいのは言わずもがなだが、深谷でしか食べられない独自のネタはさらに人気が高い。
中でも今時季しか食べられないタチやタラコは、これを楽しみに冬を待つ常連客がいるほど。「新鮮魚介が手に入る北海道なのだから、わざわざおでんにしなくても」と思う人もいようが、なかなかどうして、秘伝のだしが染み込むと、素材の旨みが引き出される上、食感もなめらかになり旨さが倍増するのだ。「それぞれが一番旨くなるように、味つけ時間を変えてるからね。手間かけてやるしかないでしょ」と二代目の深谷一郎さん。その笑顔からは、職人の強い心意気が伝わって来た。
※HO 52号より抜粋